北海道江別市でケアプランセンター、小規模多機能ホーム、デイサービス、訪問介護施設を運営するみのりの丘グループ

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みのりの丘代表ブログ

一体的な運営の意味が分からない人たち

2023.11.14

先日、厚生労働省が提案した『訪問介護と通所介護を組み合わせた新たな複合型

サービスの具体像』を見たが、はっきり言ってがっかりした。

 

以前に当ブログで、「新しい複合型サービスは、通所介護の事業所が利用者に必要

な訪問サービスを提供できるようにすることで、現場がより柔軟に支援を展開でき

る環境を作る狙いがあり、人材不足が深刻化する高齢者介護業界にとっては切り札

となり得る存在と期待されている」と申し上げたが、今回提示された具体像はその

期待を打ち砕く内容となっている。

 

今回提示された具体像を簡単に表現すると、『通所介護と訪問介護の事業所が同一

あるいは隣り合った場所にあるだけ』のものであり、当初厚生労働省が示していた

「一体的運営」とは程遠い内容となっている。

 

一体的な運営に期待されていたことは、単独の通所サービスや訪問サービスは事業

としての効率が悪く、ご利用する方にとっても使い勝手が決して良いとは言えない

状況を解消するものであるはずだ。

にもかかわらず、人員配置基準もそのままなので、通所サービスと訪問サービスの

人員を状況に応じて柔軟に変更することができない。まずこの時点で、「柔軟に

支援を展開できる環境を作り、人材不足の深刻化を解消する」可能性が消えた。

 

援助を必要としている高齢者を取り巻く状況は、常に一定ということはほぼなく、

不安定で変化に富んでいる。そのため、対応する我々には即応性と柔軟性が求め

られる。まして、限りある人材を駆使したうえで、そういった対応が求められると

なると、一体的な運営という形態をとらなければ相当難しい。

 

どうやら今回提示された具体像を協議している審議会は、ポンコツ集団のようだ。

この人たちは、A事業とB事業を同じ場所で運営することが「一体的な運営」だと

思っているらしい。

お肉屋さんと八百屋さんが隣り合っていたからと言って「一体的に運営している」

などという人はいない。単独の店だけではできないことを可能にして初めて一体的

と言えるはずである。

例えば、二つの店を一人の店員が取り仕切っていて、人材不足をセルフレジで補う

などの方法を取っていたり、肉と野菜を組み合わせたパック商品を売り出すなど、

単独ではできないことを効率的に運営して初めて一体的と言えるだろう。

こうすると、会計が一回で済むことや単独の店では買えない商品が手に入るなど、

消費者にもメリットが大きい。

ポンコツ集団にはそのことが理解できないようだ。

 

今現在、通所介護と訪問介護の事業所が同一あるいは隣り合った場所にある事業者

以外で、この事業に新規参入する事業者が現れるのかはなはだ疑問だし、はっきり

言って意味がない。

 

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