北海道江別市でケアプランセンター、小規模多機能ホーム、デイサービス、訪問看護ステーションを運営するみのりの丘グループ

みのりの丘

みのりの丘代表ブログ

迷走し続ける審議会

2023.11.15

ここ最近、介護報酬改定に向けた協議を重ねている審議会の審議内容を見ていると

「迷走を極めている」と思えることばかりだ。

 

例えば、居宅介護支援事業所に関する審議ついて簡潔に表現すると「地域包括支援

センター創設以前の居宅介護支援事業所に戻す」内容となっている。

その頃の居宅介護支援事業所は、ケアマネジャー1人当たりの担当上限などなかっ

たし、医療・介護・福祉分野を総合的に相談支援する役割も担っていた。

しかし、同審議会は「ケアマネジャーに総合相談を任せることはできない」「1人

当たりの上限を付けなければ仕事が煩雑になる」と言って、地域包括支援センター

を創設し、そして今の制度に変わったのである。

ただ残念ながら、満を持して地域包括支援センターに配置した保健師も社会福祉士

も、国の思惑通りに動かないことがわかってしまったため、その舌の根も乾かない

うちに「また元に戻す」ということになったのだろう。

ケアマネジャーは随分と舐められたもんだ。

 

ケアマネジャー業務に従事するようになってまだ日が浅い方は「負担が増える」

との思いが強くあるだろうし、介護保険制度開始当初からケアマネジャー業務に

従事している方の多くは「前に戻っただけ」と思っているのではないだろうか。

いずれにしても、要援護者数が増え続け、ケアマネジャー数が相応に増えない現状

を見れば、こうなることは初めからわかっていたと言える。

 

現任のケアマネジャーは、”昔をよく知る”方ばかりではないので、やったことが

ない業務が加わり、担当件数が増えることに辟易とするかもしれない。さらには、

介護従事者の処遇が大幅に改善されている中で、ケアマネジャーの処遇は蚊帳の外

になっている現状を見て「他職種あるいは他業種に鞍替えしようか」と考え始めて

いる方も少なからずいるのではないかと予想される。

 

ただでさえ居宅介護支援事業所は人材不足に喘いでいるのに、鞍替えしてしまう方

が増えることになれば、現行の介護保険制度を維持することは困難を極めることに

なるだろう。

国(審議会)はどこに向かおうとしているのか、さっぱり理解できない。

いや、あまり深く考えている人がいないポンコツ集団なのかもしれない。

 

昨日の当ブログで述べた『訪問介護と通所介護を組み合わせた新たな複合型サービ

スの具体像』についてもそうであるが、このポンコツ集団の機能不全は深刻を極め

ているとしか言いようがない。

この国の未来のためにも、ケアマネジャーが仕事の鞍替えをするのではなく、この

ポンコツ集団の総入れ替えをした方が良いのではないだろうか。