昨日、介護給付費分科会から 次年度に予定している介護報酬改定に関する審議内容
の素案が示された。恐らくは、よほどのことがない限り今回示された内容に沿って
報酬改定が施行されることになるだろう。
ちょうど今、その内容を読み込んだうえで、今後の事業運営方針を立てていたとこ
ろである。
二十数年間、介護報酬改定の流れを見続けてきているわけだが、今回の審議内容を
集約していうと「少子高齢化が進行し、介護ニーズが増大する一方で、現役世代の
減少が進むことが見込まれる中、制度の安定性・持続可能性を図る」といったとこ
ろだろう。
そのため、改定される内容には限られた財源や人材を如何に有効に活用するかが
散りばめられている。
さらは、在宅医療の推進に大きく舵を切ろうとしていることが伺える。そして、
リハビリテーションよりも認知症ケアに重点を置こうとしているように感じる。
「どのような支援が必要となっても、住み慣れた居宅で生活を続けることが可能と
なる社会資源を作りたい」という我々の理念に合致した方向に近づいてきていると
考えている。
そのために我々は、地域支援にかかる自主事業から始まり、通所介護、居宅支援、
訪問看護、小規模多機能型居宅介護、看護小規模多機能型居宅介護事業を立ち上げ
ここまで育んできた。
そして、今後より重要度が増していくのは訪問看護と多機能サービスであろうと
予想している。
それにしても、ここ最近の介護報酬改定審議でお決まりのように議題にあがり続け
ている『地域包括ケアと科学的介護』の審議内容についてだけはいただけない。
こんな薄っぺらな内容では、何百年審議を重ねても効果的なサービスが生み出され
ることはないだろう。
地域の細かなニーズを理解していない人たちが、そして科学や統計学の知識がない
人たちがいくら話し合ったところで何も生み出されない。そういった知識のある人
たちの話を広くそして真摯に耳を傾ける姿勢が厚生労働省に求められる。