北海道江別市でケアプランセンター、小規模多機能ホーム、デイサービス、訪問看護ステーションを運営するみのりの丘グループ

みのりの丘

みのりの丘代表ブログ

絶滅危惧種に指定されそう

2024.1.5

今朝、江別市役所職員から当方の居宅介護支援事業所と契約しているご利用者宅に

設置している「緊急通報装置」に不具合が生じているため、至急確認してほしいと

の趣旨の連絡が入った。

 

居宅介護支援事業所のケアマネジャーは、契約関係にあるご利用者の生活を見守る

ことが大きな役割であるため、こうした要請があればご利用者宅へ伺うことはやぶ

さかではない。

 

ただ、今回受けた連絡はどことなく腑に落ちない。

この「緊急通報装置」は、独居高齢者を対象として、一定の要件に当てはまる方に

江別市が無償で貸し出している物で、急病や災害等の緊急事態をボタン一つで江別

市消防署に知らせることができる装置である。

そう考えると貸し出している江別市がその不具合を確認することが筋ではないかと

思ったりするが、連絡してきた江別市役所職員はまるでケアマネジャーが確認する

ことが当たり前であるかのような言い回しであった。

 

さらには、この装置の設置にあたっては、緊急対応が可能な家族や知人友人などを

登録することがルールとなっている。今回は、そういった方との連絡が取れている

のか否かも告げられず、「ケアマネジャー確認に行ってくれ」とはあまりに不躾で

あろう。

 

今回の件に限ったことではなく、ケアマネジャーにはあらゆる所からこういった類

の連絡が頻繁に入る。「ボイラーが壊れたから見に来てほしい」、「隣の家の雪が

こちらの敷地に入ってきているので仲裁してほしい」など、上げるときりがない。

無論、契約関係にあるご利用者の困りごとを放置しておくことはないため、当該

専門職を調整するなどの対応をすることにはなるのだが、あまりにも多岐にわたり

膨大な量の困りごとがあり、その大部分がケアマネジメントと直接関係性が薄い

ものばかりで、本分であるケアマネジメントに費やす時間が無くなってしまう。

 

こうした状況から、国がケアマネジャーをどのように取り扱うつもりなのかが透け

て見える。「専門性は無くてもいいから、近所のおせっかいおばさん(おじさん)

のように地域の困りごとの解決に取り組め」といったところだろう。

そのことが、次期介護報酬改定案からも見えてくる。

なぜなら、その改定内容は「ケアマネジャーの処遇は改善しない。そのかわり沢山

のご利用者と契約できるようにする。」というものだからである。

 

ケアマネジャーがこの世からいなくなる終わりの始まりに思えてならない。