北海道江別市でケアプランセンター、小規模多機能ホーム、デイサービス、訪問看護ステーションを運営するみのりの丘グループ

みのりの丘

みのりの丘代表ブログ

北海道の冬の運転

2024.1.29

ここ3日間、当方の社用車が続けて接触事故を起こしている。

いずれの事故も怪我人がいなかったことが幸いではあったが、早急に対策を講じな

ければならない状況にある。

それぞれの事故は、状況が異なっていたため、それぞれに対策を検討しなければな

らないが、事故報告書に目を通すと総じて、「北海道の冬の運転」に対する意識の

著しい欠如が感じてとれる。

全てのスタッフは一様に「冬の運転は気をつけなきゃね」と言葉には出すが、行動

が伴っていない場面を目にすることは少なくない。

 

北海道の冬の道路はとにかく視界が悪い。

降ってくる雪や風で積もった雪が巻き上げられることで視界を遮られるだけでなく

除雪により高く積み上げられた壁が、車両や歩行者をすっぽりと隠してしまい死角

が生まれてしまう。

 

北海道の冬の道路はとにかく道幅が狭い。

除雪により脇に寄せた壁が車線を潰してしまうため、通常2車線の道路が1車線に

なることは珍しくない。脇道となる小道に至っては、車1台が通過することでさえ

難しい場合もある。また、除雪により脇に寄せた壁が溶け出して、道路全体を擂鉢

状の傾斜にしてしまうことも多い。

 

その時に雪が降っていようがいまいが、北海道の冬の運転スピードは、夏場と比較

にならないほど遅くなる。加えて、接触事故を誘発する要因が多いことから、事故

による渋滞も発生しやすい。

つまり、夏場と同等のタイムスケジュールで業務を遂行することは不可能と言って

よい。どれだけ早く準備をしてもあらかじめ決められたスケジュールを時間通りに

完結することは奇跡に近い。

 

次年度の介護報酬改定では『豪雪地帯等において、積雪等のやむを得ない事情の中

でも継続的なサービス提供を行う観点から、通所介護費等の所要時間について、

利用者の心身の状況(急な体調不良等)に限らず、積雪等をはじめとする急な気象

状況の悪化等によるやむを得ない事情についても考慮することとする。』ことが

明文化されることになっているが、

その後に江別市からこのことに関して『※新たな取扱いは、あくまでも「降雪等の

急な気象状況の悪化等により」適用されるものです。冬季期間の冬道ということだ

けをもって当該取扱いが適用されるものではないことにご留意ください。』との

通知があった。

この通知は、言い換えると「吹雪でもないかぎりは、冬も夏場と同様のタイムスケ

ジュールで動きなさい」と言っているに等しい。

 

この通知を作った人って、北海道の冬道を運転したことがないのだろうか。

雪が降っている時だけ、車の移動時間が長くなると本気で思っているのだろうか。

こんな注釈をつけるのであれば、お世辞にも素晴らしいとは言えない江別市の除排

雪対応も「急な気象状況の悪化等」に加えたくなる。

そして、こうした通知を目にすることで、役所も「北海道の冬の運転」に対する

意識の著しい欠如が感じてとれる。