今月、当方が運営する居宅介護支援事業所へ新たに1名の主任ケアマネジャーが
入職し、同事業所は常勤6名の体制となった。
当ブログでも再三話題にしていた「江別市のケアマネ不足」に対して、微力では
あるが貢献できるのではないかと今後に期待している。
今年、団塊の世代が全て後期高齢者となる。
そのため、自ずと要援護者が急増することが予測される。
要介護需要に介護支援供給が追い付かず、介護保険サービスを十分に利用できない
所謂『介護難民』が数多く発生することが懸念されている昨今にあるが、ケアマネ
ジャーがいないとなると、介護保険サービスを利用できないどころか、介護相談を
受けるところまで辿り着けない方が多数発生する危険性がある。
こうした危険性を少しでも解消したいとの思いから、江別市内でケアマネジャー
として従事してくださる方を探し求めており、ようやくご縁がつながった。
万一ケアマネジャーが足りず、介護相談を受け付けることが難しくなった場合で
あっても「自己作成ケアプランという方法があるじゃないか」という方がいる。
自己作成ケアプランとは、ケアマネジャーに依頼するのではなく介護保険サービス
の利用者自身や家族自らがケアプランを作成することをいう。
確かに介護保険制度では、償還払い方式を避けるために自分自身(家族)がケアマ
ネジャーに頼らずにケアプランを作成しても良いことにはなっている。
だが、この方法はあまりにもハードルが高く、ケアマネジャー不足を解消する選択
肢としてあげるには適切とはいいがたい。
例えるなら、「職人が不足しているから、ルールさえ守ってもらえるなら、自分で
家を建てて居住しても構いませんよ」と言われているようなものだ。
日本中を見渡せば、業者に頼らずに自力で家を建てることができる人がいるのかも
しれない。しかしそれは、ごくまれな事であって一般的なこととは言えない。
つまり職人不足の代替えの選択肢にはならないということである。
家を建てることとケアプランを作成することを比較すると難易度は圧倒的に後者の
方が低い。ただし、ケアプランの作成は家を建てることほど時間の余裕はない。
今まさに支援を必要としている状況に対応しなければならないため、半年かけて
作成するなどと悠長なことは言っていられない。
さらに、自己作成ケアプランを実施するには、事前に保険者である市区町村へ届出
を行い、必要な助言や支援を受けながら作成することになるのだが、人手不足で
数年毎に配置転換が行われることが多い役所(役場)にあって、専門的な助言や
指導を実施することができる人材を十分に確保することは至難の業と言える。
つまり、現状を見る限りにおいては、「自己作成ケアプラン」は絵に描いた餅と
言わざるを得ない。
何度も当ブログで訴えていることではあるが、ケアマネジャー不足の対策として
今一番求められていることは、専門性が高い業務に相応しい介護報酬を確保した
うえで、軽度要援護者を対象者から外すして総数を減らすことではないだろうか。