北海道江別市でケアプランセンター、小規模多機能ホーム、デイサービス、訪問看護ステーションを運営するみのりの丘グループ

みのりの丘

みのりの丘代表ブログ

信頼される専門職とは?

2019.12.4

ここ最近、「担当のケアマネージャーを変えたい。」と望む方々の話をやたらと

耳にする。

 

当ブログの『居宅介護支援費の有料化』で取り上げたように、ケアマネージャー

の多くは、「自己負担金が発生することで、ご利用者やご家族からの有用性が低い

あるいは現実的ではない要望(いわゆるゴリ押し)を引き受けざるを得ない状況に

なりやすい。」ことを恐れている。

 

なぜ、そんなに恐れるのか?

それは、『いわゆるゴリ押し』に応対しなければ、ご利用者やご家族が自分の

元から離れてしまうと考えているからである。

 

例えるなら、患者が「先生に〇〇という薬を出してほしいと頼んだのに、処方して

もらえなかった。あの先生にはもうかからない。」となることを恐れ、必要のない

薬でも処方してしまう医者と類似する状況といったところか。

 

このように、顧客の要望に専門性を示さず受け入れて対応することを『御用聞き』

と表現することがあり、我々の業界でも『御用聞きケアマネ』と揶揄される。

 

本来の意味はさておき、この『御用聞き』と揶揄される専門職に欠落していること

は『説明と同意』の手続きである。

 

先ほどの医者と患者のやりとりで考えると、

①なぜ、〇〇という薬が必要と患者が考えているのか。

②患者が考えているその症状に最も有効な手立ては何であるか。

③〇〇という薬がその症状に無効あるいは有害であること。

といった手順で、患者にわかりやすく説明して、同意していただく必要がある。

 

こういった手順を面倒に感じて怠る、または専門性が低く手順どおりに進めること

ができない専門職が『御用聞き』に成り下がる。

 

さらに言えば、「説明された内容を理解はできても受け入れられない。」という

顧客側の心理が働くことも珍しくないため、同意を得るためにはある程度の時間や

労力を必要とすることも多い。

 

ここで、手間暇を惜しんで『強引に説得して、無理やり同意させる』と当然のこと

ながら顧客の心は離れていく。

 

前述の専門職には、医療や介護、福祉にかかわる専門的な知識とともに『コミュ

ニケーションスキル』が強く求められる。

自分にそのスキルが備わっていないことを棚に上げて、『ゴリ押し』などと言って

顧客側に責任を転嫁すること自体、専門職とはいいがたい。

 

ご利用者やご家族が「ケアマネージャーを変えたい。」というのは、自分の要望を

聞いてくれないからではない。『説明と同意』の手順が不十分で信用できないから

に他ならない。