北海道江別市でケアプランセンター、小規模多機能ホーム、デイサービス、訪問看護ステーションを運営するみのりの丘グループ

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自己負担金の一部改正は来月から

2021.7.7

来月から「高額介護サービス費」と「補足給付」の自己負担額が一部改正となる。

 

「 高額介護サービス費」とは、ひと月の自己負担があらかじめ決められている上限

額を上回った際に、その超過分を払い戻す仕組みで、上限額は個々の経済状況に

応じて段階的に設定されている。

「 補足給付」とは、介護施設に入所する低所得者の食費、居住費を助成し、その

自己負担を軽減する支援措置で、こちらも個々の経済状況に応じて段階的に自己

負担の上限額が定められている。

当ブログで再三取り上げている介護サービス費の自己負担増については、高齢者が

爆発的に増え、若者世代が減り続けている現状からある程度はやむを得ないところ

であろうと思う。

 

ただし、世代を問わず「余裕がない人」に大きな負担を強いる内容にだけは

なってはいけない。

大切な仲間

2021.7.6

今日、ひょんな用件があり、石狩市で独立して高齢者介護事業や障がい福祉事業

そしてまちづくり事業等を展開している同業の仲間と話をする機会があった。

コロナ過で中々会うことができず声を聴くのも久しぶりだったが、エネルギッシュ

な活動量は相変わらずだった。

 

同氏は障がいを持った子供たちの支援にも熱心に取り組んでおり、新規事業も計画

しているとのことだった。

また、現在50名の看護スタッフを抱え、高齢者や障がいを持った方の在宅医療の

サポートに重点を置いて取組を進めているといった点も非常に興味深かった。

 

離れた地域ではあるが志を同じくして、地域福祉や医療に取り組んでいる仲間と

話をすると励みになるとともに明日への活力となる。

運上さん、お互い頑張ろう!

自主事業再開への準備

2021.7.5

北海道内における新型コロナウイルスの新規感染者が、ここ数週間少し落ち着いて

きている。また、同ワクチンの接種もゆっくりではあるが着実に進んできている。

こうした状況から、6月21日より緊急事態宣言に引き続き発令された『まん延

防止等重点措置』が7月11日で解除されることとなった。

 

当方スタッフの半数以上も同ワクチン接種の1回目を終え、今月中に希望者すべて

の2回目接種が終了する予定でいる。

少しではあるが、明るい兆しが見えつつある状況になってきた。

 

こうした状況の中で、地域の皆様から再開のご要望を沢山受けている『自主事業』

をどのタイミングで開始しようかと内部で再三話し合いを重ねている。

『自主事業』とは、当ブログで何度も取り上げている介護保険外の当方独自の地域

交流活動で60名以上の会員で形成されている。

 

現段階における私見では、65歳以上の江別市民の同ワクチン接種が行き渡る8月

のお盆過ぎあたりを再開のめどと考えている。

ただし、今月に控える東京オリンピック・パラリンピックの開催状況等によっては

大幅に予定を変更せざるを得ないことも念頭に置かなければならない。

早く会員の皆さんとお会いしたいという気持ちを抑えて、『自主事業』再開への

準備を慎重に進めたい。

居宅介護支援費の有料化への異論に対する異論(その2)

2021.7.2

前回に引き続き、

『居宅介護支援費の有料化』は、事業者側から多くの異論が出ていて、その理由が

「ケアプランを有料化すれば、法制度の趣旨を度外視して都合よくサービスを使お

うとするご利用者やご家族が増え、いいなりとなる無能なケアマネも増加し、その

方がご利用者やご家族に選ばれやすくなる。」といったことについて物申したい。

 

「都合よくサービスを使う」とか「いいなりとなる人を好む」とか、ずいぶんと

ご利用者やご家族を馬鹿にした発想である。

 

アセスメントをしっかりした上で、丁寧な説明や適切な提案を行っていれば「都合

よくサービスを使う」という状況にはほとんどならない。

なぜなら、ご利用者側はどのように支援を受けることができるのか知らないから

結果的に「都合よくサービスを使う」という意向を示してしまうだけなのである。

 

また、ご利用者側にとって「都合のよいサービス」は、介護保険以外の社会資源で

ある場合もある。そういった社会資源の情報を常に収集しておいて、必要があれば

調整する。そういった社会資源がなければ自ら創造する。といったところまでマネ

ジメントしているのであれば「有能」と言えるかもしれないが、どれも中途半端に

しかやれていないケアマネが「自分は有能」と思っていたとすると・・・。

 

それと、「いいなりとなる人を好む」は本当だろうか。

例えば、ご利用者の自己負担が発生する訪問介護や通所介護といった介護サービス

の中で、法制度や社会的秩序を度外視して何でも受け入れてくれる事業所がご利用

者から持てはやされるかというとそうではないように思う。

やはり人気がある事業所は、コンプライアンスがしっかりしていて、かつ良質で

丁寧なサービスを提供してくれるところである。

そういった事業所は決まって説明や提案が丁寧であり適切である。

 

高齢者介護の業種に限らず、どれだけ懇切丁寧に説明しても無理難題をごり押し

してくるお客は極まれにではあるが存在する。

ただし、その極まれな存在を引き合いに出して『居宅介護支援費の有料化』に異論

を出しているとすると的外れ以外のなにものでもない。

利用料金(自己負担金)が同一である以上は、適切なケアマネジメントを行って

いるケアマネに相談援助をお願いしたいと考えることが自然である。

 

『居宅介護支援費の有料化』への異論を聞けば聞くほどに、「自分は無能です」と

言っているようにしか聞こえない。

居宅介護支援費の有料化への異論に対する異論(その1)

2021.7.1

前回のブログで取り上げた、令和6年度に控える次期制度改正の最大の焦点となる

『介護保険サービスの自己負担の引き上げ』は、ご利用者側から異論が出ている。

そして、もう一つの焦点となる『居宅介護支援費の有料化』は、事業者側から多く

の異論が出ている。

 

居宅介護支援とは、ケアマネージャー(以下、ケアマネと呼ぶ)が実施するケア

プランの作成を含めた相談援助のことで、現状ではご利用者の負担金が発生しない

無償の介護保険サービスと位置付けられている。

 

この『居宅介護支援費の有料化』には、下記にあげるような理由で多くの業界人が

反対の意向を示している。

「ケアプランを有料化すれば、法制度の趣旨を度外視して都合よくサービスを使お

うとするご利用者やご家族が増え、いいなりとなる無能なケアマネも増加し、その

方がご利用者やご家族に選ばれやすくなる。」といったものである。

 

そして、この意見を正当化するために、「公正中立の立場が危うくなる。」とか

「介護給付費の拡張を助長する。」といった理屈を後付けで唱えているが、端的に

言えば、「有能な私が無能なケアマネにお客さんを取られてしまう」とでも

言いたいのだろう。

しかし、こんなことを考えている時点で「有能?」と思えるし、はっきり言えば

「目くそ鼻くそ、50歩100歩」ではなかろうか。

公正中立や介護給付費の抑制などと言っておきながら、詰まる所は「顧客の取った

取られた」が透けて見える。

 

そもそも、ケアマネが有能であるか否かといった客観的な指標は存在していない

ため、ご利用者側の主観が評価の基準になってくる。

例えば、「不愛想だけど手術が上手」が名医と思う人もいれば、「手術はいまいち

だけど私の話をよく聞いてくれる」が名医と思う人もいる。

また、自分が今置かれている状況や病状に合わせて主治医を変えることもできる。

一方で、ケアマネは主治医を変更することほど簡単には行われていないことから

考えても不健全な状況にある。

 

自ら収集した情報等をもとにして、○○事業所の△△ケアマネに支援を依頼したと

いうご利用者やご家族がどれほどいるのだろうか。私見ではあるが全体の1%も

いないであろう。

ご利用者とケアマネは長い付き合いになる。人生のラストステージを担当してもら

う最初で最後の相談援助者となることも少なくない。

だからこそ、ご利用者やご家族が「しっくりくる人を選びたい」と思うことは何ら

不思議なことではない。

 

もしも、ご利用者やご家族が今までよりもケアマネを変更しやすくなるきっかけと

なるのであれば、『居宅介護支援費の有料化』は一層結構なことだと思う。

また、「いいなりとなるところに顧客が集まる」と言う理屈についても大いに疑問

がある。そのことについては次回に持ち越すこととする。

 

反対するのはいいが対案がなければ・・

2021.6.30

『認知症の人と家族の会や全国労働組合総連合(全労連)など7団体が23日、・・

高齢者の自己負担の引き上げに抵抗していく方針を確認。与野党に提出する要望書

の素案には、2割負担、3割負担の対象拡大やケアプランの有料化への反対を明記し

た。要望書は9月にも各政党へ提出する予定。』との報道を見た。

 

介護保険サービスの自己負担の引き上げは、令和6年度に控える次期制度改正の

最大の焦点となる。制度の持続可能性の確保、現役世代の負担軽減を理由に財務省

などが具体化を求めているが、家族の会らは異論を唱えている。

 

特殊な状況下でもない限りは、経済的、精神的、身体的負担が増えることを歓迎

する人はそうそういないだろう。まして、自分や家族の生活に多大な影響を与える

ような負担となればなおのことだ。

そのため、今回の負担増へ反対の声をあげることは至極まっとうなことであろう。

 

しかし、このような報道を目にするといつも気になることがある。

それは、経済的に余裕がある人もそうではない人も一緒くたにして取り扱われがち

であることと、異論や反対ばかりで対案がないことである。

 

若者世代が減り高齢者が増え続けている日本においては、社会保障に係る収入が

減り支出が増え続けることはだれもが知っている。家計と同様に収入が減って支出

が増え続ければ、いずれ破綻する。

現状のままでも、若者世代の負担は増える一方である。そこに来て、高齢者は負担

増を受け入れないとなれば、世代間格差を助長することにもなりかねないし、世代

間における感情論にも発展しかねない。

 

感情論ついでに言うと、『高齢者は弱者、若者は強者』という単純な枠組みで物事

を捉えることはいい加減に卒業したほうが良いように思う。

経済的側面を単純な枠組みから見ると、『高齢者は超強者、若者は超弱者』という

ことになる。

経済的な支援策を高齢者や若者と言った世代で対比することには何の意味も持た

ない。対比するべきなのは『余裕がある人とそうではない人』である。

 

単に反対の声を上げるだけでは誰も耳を貸さないと思う。

知恵と工夫は暮らしを豊かにする

2021.6.29

緊急事態宣言が解除され、久しぶりにご訪問することができたご利用者宅へ伺った

ところ、とても興味を引くものが置いてあった。

 

それがこれである。

 

手動式のポットのお湯を出すために押す場所に、お猪口を滑り止めシートで包み、

洗濯ばさみを固定した割り箸をポットの手持ち部分にセットするといったものだ。

 

なぜこのようなものを作ったのかとご主人に聞いたところ、「妻が腕の力なくなっ

てきて、自分でポットのお湯を出せなくなったので、こんなもんを作ってみた。」

「これなら、一人でお茶を飲むこともできると思う。」とのことだった。

 

このような手動式のポットをお持ちの方はよくわかると思うが、お湯を出すために

押す場所はとても重たく、それなりに過重をかけないと思ったように出てこない。

そのため、生み出された創意工夫である。同席していた作業療法士も目を丸くして

感動していた。

 

最近では、レバー式になっているポットや電動式のポットも市販されているので、

こうした機会に買い替えるということも一つの手段であろうと思うが、たくさんの

お金をかけなくても、知恵と工夫で住みやすい環境を作ることができるという模範

的な事例だったので、皆さんへ紹介しようと思った。

 

しかし、当のご本人からは「こんなのカッコ悪くて使いたくない。」という落ちが

ついた。トホホ・・。

建物がすっかりなくなった

2021.6.28

来春に開設する予定の『看護小規模多機能型居宅介護』事業所の新築工事に先駆け

て、今月から始まった既存建物の解体作業がようやく終了した。

 

 

 

 

この後は、地面に埋まっている基礎部分をすべて取り除いて、地盤の検査を行い

新築工事の準備へと移っていく。ここまで、天候にも恵まれ、事故なく滞りなく

作業が進んでいることが何より幸いしている。

 

反対側の道路から商店街の内部が見えることはなかったので、何とも見慣れない

風景が目の前にあった。

この商店街において、解体及び新築工事はおおよそ50年ぶりと聞いている。

今後も事故なく滞りなく作業が進むことを心より願っている。

 

看護小規模多機能型居宅介護の魅力

2021.6.25

『看護小規模多機能型居宅介護』には、様々な役割があると思う。

 

一つには、治療の目的で病院へ入院した後に、治療は終了して退院できる状態には

なったが、在宅復帰にはまだ療養やリハビリが必要と言った場合である。

この様な状態にある場合は、回復期リハビリテーション病棟や老人保健施設を利用

して在宅復帰を目指すことが多いが、看護小規模多機能型居宅介護も同様の役割を

担う事がある程度できる。

また、同事業所を利用することの最大のメリットは、在宅生活を過ごしながら在宅

復帰を目指せるということである。

 

それはどういうことかと言うと、病院や施設で行うリハビリはあくまでも施設内で

施設の設備を利用して行うことになる。しかし、自宅で行うリハビリは、これから

の生活で利用する設備そのものを活用して行うため、より実践的な内容となる。

ある程度の療養も必要となれば、通いや泊りサービスも併用して利用することが

できるので、在宅生活を過ごしながら在宅復帰を目指せるのである。

 

別の役割としては、在宅生活を過ごす方で寝たきり度が高くなった場合である。

この様な状態にある場合は、『外出』が非常に高いハードルとなってくる。外へ

出るための手段が狭まるだけではなく、外出先で長時間滞在することも心身の負担

から難しくなってくることがある。

そのため、利用する介護サービスは訪問系サービスが中心となることが多い。

 

「入浴するためだけ」とか「外の空気を吸うためだけ」とか「気分転換するため

だけ」といった『ちょっとした外出』を普段訪問サービスとしてかかわってくれて

いる看護スタッフやリハビリスタッフ、介護スタッフが直接対応してくれることが

看護小規模多機能型居宅介護の特徴でもある。

 

まだまだ魅力的な役割はたくさんあるが、話が長くなってきたので、近いうちに

再度取り上げてみたいと思う。

訪問看護の魅力(発展編)

2021.6.24

訪問看護を運営しているといくつかの課題にぶち当たることがある。

 

例えば、「入院するほどではないが、1日か2日夜間も含めて看護対応する必要が

あり、できれば訪問看護師が継続してかかわることができればベスト」といった

ニーズに出会った場合などである。

 

一般的にそういった場合には、病院への入院や介護施設のショートステイを利用

するか、どこへも行かずに何とかして自宅で療養できるように対応する。

病院や介護施設へ行くこととなれば、当然のことながら連続性を担保するために

訪問看護と受け入れ先との間で、必要な連携を行うことになるが、この数日のため

に変更しなければならない事柄(担当者が変わる、滞在場所が変わるなど)は、

事業者に多大な労力を強いるだけではなく、患者やその家族に大きな負担を強いる

ことになってしまう。

 

また、「終末期に入り、自宅で看取ることを決めていたが予想以上に負担が大きく

望まない形ではあるが、最終的には在宅療養から入院へ切り替えざるを得ない」と

いったニーズに出会った場合などである。

 

本人の望む形で最期を迎えてほしいとの強い思いを持って在宅療養に踏み切った

ご家族であっても、張り詰めた空気の中で予想以上の期間中ずっと平常心を保つ

ことは難しく、心身共に疲労困憊してしまう。

そんな時に、ホッと一息付ければまだ続けられるということもある。

 

そこで、保険外の自主事業として「お泊りサービス」の併用を試みる先駆的な

訪問看護事業所がいくつかあったそうだ。

こうした試みが、『看護小規模多機能型居宅介護』の原型と言われている。

こうした先輩たちの情熱や試みには敬意を感じずにはいられない。

 

当方においても、当ブログで再三ご案内している通り、来春に同事業を開設する

予定でいる。

ご利用者、ご家族にとって「ホッと一息つける」場所にしたいと考えている。